H26.9/10 相続人間で話がまとまらないとき
一人の推定相続人から不動産の相続登記の依頼がありました。
相続人が複数存在するとき、その中でお一人の方が代表して手続を進行していくことは多いです。
あらかじめ相続人のみんなで話をして、代表相続人を決め、その代表相続人が司法書士を選び依頼をするという流れです。
ところが、今回依頼のあった相続人以外の相続人から反対意見が出たようです。
どうも、自分の懇意にしている別の司法書士に頼みたいようです。
まだ相続人が誰なのかも確定せず、遺産をどのように分けるかもこれから決めていくこの段階で、相続人の意見があわないようでは先々非常に不安です。
相続手続きをスムーズに進めるためには、相続人間の連携が重要です。
司法書士としても一旦依頼を受けたはいいが、後になって他の相続人の了解が得られず、印鑑がそろわないといったことになるとそれ以上手続を進めることができなくなります。
不動産の相続登記の場合、法定相続分で共有登記をするならともかく、遺産分割をして特定の相続人の名義にするためには、相続人全員の了解が必要です。もちろん、全員の実印と印鑑証明書も必要です。
相続人全員の実印がそろわなければ登記はできません。
銀行の預貯金の相続手続きについても、相続人全員の実印と印鑑証明書がなければ、預金は払い戻せません。
一人の相続人が勝手に手続を進めてしまうと、あとあと面倒な問題になっていく可能性があります。
相続人間の意見が合わず、遺産分割の話がまとまらない場合、家庭裁判所で遺産分割調停をせざるを得なくなってしまいます。
相続人を代表するのは相続人のうち、どなたでも構わないのですが、他の相続人全員の意見をよく踏まえて進めていく必要があります。