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親族の方が脳こうそくで倒れた、認知症になった場合、それまで顕在化しなかった様々な問題が突然まわりの人間に明らかになります。
中でも、最近相談が多いものが認知症になってしまった方の借金に関する問題です。
周りの方のほとんど、特に親族の方は、貸金業者からの督促状の山に驚き、どう対処してよいうのか分からなくなります。
すでに施設に入所していたり、介護サービスを受けていたりすれば、しかるべき窓口に連携し解決してもらえる場合もありますが、ある日突然そのような状況に置かれた場合は困惑するばかりでしょう。
ここでは特に、認知症の方に借金があった場合の対処についてご紹介いたします。
認知症の方には判断能力が不足していますから、自分で問題を解決することができません。
そこで大きな流れとしては、まず後見申立を行い後見人をつける。そして、後見人から借金の問題を解決できる専門家に依頼する、ということになります。
後見申立ては、診断書の入手、必要書類の準備など申立の準備からいざ家庭裁判所に申し立てて、実際に後見人が選任されるまで数ヶ月要することもあります。
その間、借金のほうは親族の方が肩代わりして返済する必要はありません。
仮に、貸金業者から問い合わせがあったとしても、返済する必要はありませんが、後見申立後に債務整理をする旨を伝えておくといいでしょう。
債務整理を依頼する専門家が決まっているのであれば、専門家のほうから連絡をいれることも可能だと思います。
当事務所では、このような場合は後見申立後に債務整理を受任する予定である旨、督促は停止していただきたいという旨を連絡することにしています。
もちろん、後見人就任後、正式に債務整理を受任し、受任通知を送れば督促は停止します。
後見人の選任がなされ、親族の方が後見人となった場合、その後見人からの依頼をうけて債務整理を行います。
債務整理については別サイト 大阪住宅ローン返済・債務整理相談室 をご参考いただければと思いますが、各貸金業者の債権額を調査し、ご本人の収入状況や支出状況によって、今後の返済の見込みを検討したうえで自己破産などの手続を進めていきます。
高齢者の場合、過去の取引が長期であると、債権調査の結果過払い金が発生していることもあります。この場合は過払い金を回収します。
債務整理についても、債権調査から手続完了までに数ヶ月は要することになります。過払い金が発生している場合、訴訟を起こして回収せざるを得ないことも多く、訴訟になるとさらに時間がかかります。
なお、債務整理によって社金の問題が解決した後は、後見人の業務としてご本人の財産管理や身上監護を継続し、家庭裁判所にも定期的に事務報告を行っていく必要があるということは覚えておいてください。
多額の借金をかかえ返済不能になってしまった債務者に経済的復帰の機会を与える制度です。債務者の一定範囲の財産を換価し債権者に平等に配当した上で 残りの借金の支払義務を免責してもらう裁判上の手続です。
この免責許可がなされれば、借金は払わなくてもよくなります。
債務者の財産を換価して債権者に配当するということですが、家財道具や生活必需品、最低必要な現金や給与 などは取り上げられることはありません。
自己破産が債権者に財産換価配当し、残ってしまった債務の支払を免責する手続であるのに対し、個人再生は一定の財産は保持したまま、残った借金を大きく圧縮し分割弁済していく裁判所における手続です。
たとえば借金の総額が500万円だった場合、原則総額100万円にまで圧縮することができます。あとは、その100万円を3年間で返済していただくことになります。
任意整理は、残った借金を一括または分割で返済するという話し合いを債権者と行う手続きで債務額が140万円までならば司法書士が代理で交渉します。裁判所は間にはさみません。
分割回数は3年程度(36回払い)までが多いのですが、
返済原資の状況により検討する必要があります。
債権者との合意が得られるかどうかによりますが、3年以上の分割ができる場合もあります。
今や知らない人はいないというぐらい、「過払い金」という言葉は知名度があるのではないでしょうか。
高金利な業者から長年借り入れと返済を繰り返してきたり、すでに完済していた場合に過払いになっていることはあります。現在は法定金利内の貸金業者も、過去の取引が高金利の場合が大半です。
「過払い」とは金利の払い過ぎという意味です。
法定金利を超えて支払ってきた金利は、元金の返済に充てられるべきですから、過去の取引の経過を調査し、法定金利(15〜20%)で計算しなおすと、本来あるべき借金の残高が分かります。
計算の結果、元金は当の昔に返済終わり、あとは払う必要のなかったお金を払い続けていったものが過払い金です。
過払い金は、返還してもらって当然のものなのですが、そこにはいろいろな論点があります。
貸金業者が過払い金額を争ってくることが多いのですが、証拠書類がなく、本人が認知症で過去の経緯などをまったっく思い出せないような状況ですと、裁判で争うのが困難な場合もあります。
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