H26.9.17 認知症の方の借金はどうなるか
認知症になった方に借金のあることが判明したが、どうすればいいかわからない。その借金は自動的になくなるのか。親族が払わなければならないのか。
といった相談が多いです。
このホームページにも、「認知症 借金」といったキーワードで検索されてたどりついた方も多いようです。
認知症になったとしても、それまでに借りた借金は自動的には消えません(消滅時効は除く)。
しかし、配偶者や子、親族の方がそれを肩代わりする必要は、保証人にでもなっていない限りありません。
かといって、そのまま放置するのも具合が悪い。
年金しか収入がないような場合、たいてい返済不能で自転車操業になっていた可能性もあります。
こういった場合、自己破産等の債務整理を行って解決するほかありません。
認知症高齢者の場合で収入が少なく、介護サービスや医療費を支払うとほとんどお金が残らないような場合は自己破産を検討します。
しかし、問題は認知症などで、本人に判断能力がなくなってしまっている場合です。
本人に判断能力がない以上、自発的に債務整理を専門家に依頼していただくことはできません。
そこで、自己破産などの債務整理を進める前に、成年後見人等の申立を行います。
成年後見人は親族の方が候補者になってもかまいませんし、司法書士等の専門家に候補者になってもらってもかまいません。
成年後見の申立を行い、家庭裁判所に選任された成年後見人は、認知症になった本人の法定代理人になります。
成年後見人は、本人のために改めて司法書士等に債務整理を依頼することができます。
もちろん、成年後見人は本人のために、債務整理が終わった後もずっと本人の財産管理や身上監護を継続していく必要があることは覚えておきましょう。