H26.9.22 団体信用生命保険で住宅ローンが完済された場合の抵当権抹消と相続登記の関係
住宅ローンの債務者とその不動産の所有者が同じ人の場合が多いかと思います。
住宅ローン債務者の死亡等によって団体信用生命保険により住宅ローンが返済されると、不動産に設定されていた抵当権は消滅することになります。
そこでやっておかないといけない手続が抵当権抹消登記です。
抵当権の抹消は、住宅ローンの債権者である金融機関から抹消に必要な書類を入手する必要があり、相続人が受領します。
さて、抵当権の抹消は、すぐさま申請できるのかというと、今回のような団体信用生命保険による場合はそうはいきません。
登記というのは、事実関係に基づいて行わなければなりませんので、それぞれの事実がどの時点で発生したのかということが重要です。
今回のケースでは、死亡した事実が先に発生し、その次に住宅ローンが完済された事実が発生していますので、まずは不動産の相続人への名義変更が必要になります。
所有権を相続人の名義に移転したのち、新たな所有者から抵当権抹消登記を申請する必要があるのです。
仮に、抵当権が所有者の死亡よりも前に消滅している場合は、相続登記をしなくても、被相続人名義のまま、相続人による申請で抵当権の抹消登記申請ができます。
抵当権抹消の書類には、使用期限のある書類があります。
金融機関の資格証明書が発行後3ヶ月以内しか使えません。
相続登記は、速やかに終了するとは限りません。
相続人が多かったり、意見があわないこともあります。
団体信用生命保険による抵当権抹消の場合は、相続登記を先に済ませてから抵当権抹消書類を受領するようにしたほうがいいでしょう。