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H27.3.8 実印が必要な場面・相続手続きそのほか

日本は本当に印鑑社会だなあと、この仕事をしていると毎回思います。

何かにつけて押印を求められますね。

今日も相続に関係して遺産分割協議書に署名押印をもらいに行っていました。

そういうとき、ご本人が遺産分割協議書に押印せず、われわれ司法書士に代わりに押印してくれと言われることが多いです。

普段印鑑を押しなれていないので、陰影がうまく映らないことが多いからですね。

陰影がきれいに映らないと、印鑑証明書との照合ができず、手続きが進められないこともあるからです。

下手な押印で、何回も押しなおして書面が汚くなってしまうのもいやですし。

結構、ちょっとしたコツみたいなものがあるのです。

印鑑には実印と、それ以外の認印に分かれます。

実印と認印の違いは、簡単に言えば証拠力・証明力の違いです。

実印で押印された書面は、本人が本人の意思で押印したことがわかりますから。

一般に重要な契約書面には実印の押印を求められることが多いでしょう。

金融機関の契約書なんかでは実印を求められることが多いのではないでしょうか。

司法書士も実印を扱うことが非常に多い仕事です。

なかでも不動産登記や商業登記などの登記手続きでは実印の押印が定められているものが多くあります。

実務で実印が必要な例は以下のようなものです。

不動産の遺産分割協議書に押印する印鑑

不動産売買の登記の際の売り主の印鑑

住宅ローンなどの抵当権設定の登記のときの印鑑

公正証書で遺言を作成するときの遺言者の印鑑

会社を設立するときの出資する人の印鑑

会社を設立するときの取締役・代表取締役の印鑑 などです。

逆に、

不動産を法定相続人が法定相続するときには実印は原則不要(例外もあります)

自筆証書で遺言を書くときは実印は不要(ただ、証拠力を高めるために実印を押すことが多い)

住宅ローンを完済して、不動産の抵当権の抹消登記をする所有者の実印は不要

不動産の住所変更の登記には実印は不要

裁判を起こす時の訴状には実印は不要

実印といえばたいていの方ははんこ屋さんで作ったものを印鑑登録しているようです。

でも、たまに100均で買ったような印鑑を実印登録しているかたもいらっしゃいます。

100均の印鑑の場合、よく似た陰影がたくさんありますし、プラスチックで欠けやすく、押印の仕方で陰影の映りが変わりやすいので、印鑑証明書との照合がやりにくくて困ることがあります。

印鑑登録した本人もどれが実印かよくわからないといって、複数の100均で買ったような印鑑を持参されることがあります。

実印は、できれば偽造されにくく陰影がはっきりする印鑑を作ったほうがいいのではないでしょうか。

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