大阪市淀川区在住のAさんは認知症です。
年金と生活保護受給者でした。
年金で不足する部分は生活保護を受けていました。
長い間、夫婦で生活していましたが、昨年夫が亡くなりました。
夫が亡くなり、遺族年金が支給されると、生活保護は打ち切られてしまいました。年金と遺族年金で最低生活費を上回ったためです。
さて、Aさんは介護サービスを受けています。
ところが、生活保護の打ち切りに伴い、過去に介護保険料を滞納していたことが発覚しました。
2年以上の滞納で、時効により納付できなくなっていました。
通常ですと、時効になった未納期間がある場合はその期間に応じて、一定期間の保険給付が9割から7割に減らされます。要するに、介護サービスの自己負担が1割から3割に増えてしまいます。
Aさんの自己負担は、3割負担になってしまいました。
年金があるとはいえ、最低生活費ぎりぎりの状態でしたから、介護サービス3割の自己負担では、まったく生活ができません。単純に今まで2万円の介護サービス料自己負担が6万円になるのです。
もちろん、過去に介護保険料を滞納した自分自身が悪いのですが、認知症のAさんにそれを咎めても仕方がありません。
介護保険の担当者に、なんとかならないか相談しましたが、時効にかかっているので納付することもできず、なんともなりません。
払える範囲で介護サービスを削減しなさいと、けんもほろろです。
そこで、再度、介護サービス負担の増加による生活費の不足を理由に、生活保護の相談に行きました。
いろいろ過去の事情や現状の生活状況、給付制限について説明し、生活保護を受けられないか相談したところ、給付制限は自業自得だが、生活費が全く足りなくなるという現状は事実であるので、生活保護の申請を受け付けるとの回答をもらいました。
生活保護が開始されれば、給付制限は解除されます。
早速、資料を準備し、生活保護の申請を行い、受理されました。
後日、自宅の訪問調査を経て、保護開始がされるかどうかを待ちます。
これも、成年後見人の仕事のひとつです。