相続の相談で、毎回のように聞かれるのは相続人が誰なのか、相続できる割合はどうなっているのか、ということ。
これだけインターネットやテレビ、あるいは書籍などで情報が手に入れやすくなっていますが、やはりなかなかわかりにくいようです。
まして、知人や親族などで専門知識のない人に聞きかじったりして、わけがわからなくなる方も。
よく聞かれるのが、
戸籍を出たら、相続権がなくなるのかということ。
結婚して、氏をかえ、配偶者と新しい戸籍に入ったら、元の親の相続権がなくなるのではないかということです。
いまどき、嫁に嫁ぐ、というような言い方が時代に合っているのかどうかと思いますが、
他の人の家に入ったから、相続人ではなくなるのではないのか、と言いたいようです。
しかし、結婚して氏をかえようが、新しい戸籍に入ろうが、親との血縁関係は切れません。
相続人であることには変わらないのです。
戸籍上、親子関係などの相続関係があるかどうか、です。
ところで、
血縁関係は、実際の血のつながりだけではありません。法律上の血縁というのもあります。
次に、養子に出たら、元の親の相続人になれないのではないか、という勘違いです。
これも、他の人と養子縁組をしたからといって、原則、元の親との血縁関係は切れませんので、相続人であることには変わりません。
ただし、例外として、特別養子縁組をした場合には元の親の相続人にはなりません。
*特別養子縁組は、子どもの利益のために特別な必要がある場合(家庭事情、虐待から守るためなど)に、家庭裁判所の審判で、養子縁組を行い、実の親との親族関係を終了させるものです。
子どもが元族6歳未満である必要があります。
養子に関連して、
上記の普通養子縁組をすると、実の親と養親と、両方の相続人になります。
よくある勘違いですが、
再婚した配偶者に連れ子が存在する場合、再婚すると、再婚相手と連れ子は当然には親子関係になるのではないか点。
再婚相手と連れ子とは、再婚したからといって当然に親子関係は発生しませんので、連れ子に自分の相続権を与えたいのであれば、養子縁組が必要になります。