家庭裁判所から私が成年後見監督人に選任された事件があります。
今日、その成年後見人の方と初めて面会しました。
その方は、4年ほど前に、自分の母親の成年後見人に就任しています。
これまでに2回家庭裁判所に後見業務報告を行っていました。
その膨大な記録を取り寄せ、確認してみると、非常に細かな管理がなされていました。
手製の出納帳で、しかもパソコンではなく手書きで記帳されています。
一文字一文字丁寧で、一生懸命管理されている様子が見て取れます。
もちろん、支出のあった領収書やレシートもすべて添付されています。
ただ、金額の合計ミスなどはないものの、若干意味不明な計算などが見られる箇所も散見されましたので、このあたりが後見監督人がつけられた原因なのかなと思いました。
家庭裁判所に選任されるとはいえ、こちらとしてもやはり不安はあります。
初めて担当するわけですから、相手の方も当然不安でしょう。
お互い、どんな人間なのか、ウマが合いそうか、これから長くお付き合いすることを考えれば当然です。
ウマが合わないからと言って交代してもらうわけにはいきませんから。
事件記録からは、とりあえずはおかしな管理をしていなさそうなので、一安心しました。
そして、今日初めてお会いしたのです。
会ってみると、割といかつい感じの男性でした。(その点、私も相手の方からするといかつく見えるかも)
お話を詳しく聞いてみると、やはり成年後見人になった当初は、管理業務がわからず、これでいいのかどうかよくわからないまま進めていたそうです。
今まで、こうした会計、仕訳など事務作業とは無縁で、記帳のしかたもわからなかったようです。
パソコンも使えないので、ノートに線を引いて、収入や支出の金額を書いて、電卓をはじくという作業です。
後見業務は、継続的に行わなければならず、間をおいてしまうと金銭の出入りが混乱しがちです。
あくまでも、後見人の財布と、被後見人の財布は完全に分離して管理する必要があります。
通帳の出入り、現金の出入りを正確に管理していくのは大変です。
まして、普段はお仕事をされているとのことなので、なおさらです。
さらに、金銭管理のほかにも身上監護も必要です。
後見監督人は、名前からするとたいそうな感じですが、被後見人のために、こうした後見人の後見業務がスムーズに行えるようサポートし、また不正がないようにチェックをおこないます。
家庭裁判所よりも、もっと身近な存在だと思います。
今後、毎月1回のペースで後見業務の報告をいただくことをお願いし、初顔合わせを終えました。